2024.03.11 [更新/お知らせ]
アジア全域版アカデミー賞「第17回アジア・フィルム・アワード」⽇本映画勢が多数受賞︕︕

AFA
3月10日(日)夜、戯曲センター(Xiqu Centre)Grand Theatre(香港)にて、東京国際映画祭(TIFF)が香港国際映画祭、釜山国際映画祭とともに共催するアジア全域版アカデミー賞「第17回アジア・フィルム・アワード(以下AFA)」の授賞式が開催され、日本作品の『悪は存在しない』(濱口竜介監督)が、最優秀作品賞と最優秀音楽賞(石橋英子さん)に輝きました。濱口監督と石橋さんは、昨年の『ドライブ・マイ・カー』に続いての同賞獲得です。また、是枝裕和監督も、『怪物』で最優秀監督賞を受賞し、昨年の韓国作品『ベイビー・ブローカー』に続く、2年連続の同賞受賞に輝きました。この他、第36回TIFFのオープニング作品で、先日の日本アカデミー賞でも最優秀主演男優賞を受賞した『PERFECT DAYS』にて役所広司さんが最優秀主演男優賞の栄冠を手にしました。他に、第36回TIFFのクロージング作品で、日本アカデミー賞で8冠に輝き、米国・アカデミー賞の視覚効果賞にもノミネートされている『ゴジラ-1.0』チームが、視覚効果賞(山崎貴監督、渋谷紀世子さん、高橋正紀さん、野島達司さん)、音響賞(井上奈津子さん)を受賞しました。あわせて、先の発表のとおり、俳優・鈴木亮平さんが、アジア映画界・アジア文化における業績と貢献を称える「Excellence in Asian Cinema Award」を、韓国の女優イ・ヨンエさんとともに授与されました
 
第17回アジア・フィルム・アワード

©Asian Film Awards Academy
左から:鈴木亮平さん(Excellence in Asian Cinema Award) 
中央左:最優秀作品賞『悪は存在しない』 編集賞ノミネート(山崎梓さん)、高田聡プロデューサー、最優秀音楽賞(石橋英子さん)、撮影賞ノミネート(北川喜雄さん)
中央右:是枝裕和監督(最優秀監督賞『怪物』)、右:石橋英子さん(最優秀音楽賞『悪は存在しない』)

 
大規模で豪華なレッドカーペットの後に開催されたAFAの授賞式では、日本人として初めて審査委員長に就任した黒沢清監督が、世界中の映画人が務める審査員陣と投票メンバーを率いて決定された受賞者が登壇。Youth Ambassadorの一人として様々なAFAイベントに参加した宮沢氷魚さんがプレゼンターを務めた他、特別功労賞を受賞したチャン・イーモウ監督、主演男優賞にノミネートされたトニー・レオンさん、プレゼンターを務めた女優のファン・ビンビンさんなど、アジア全域よりスターが集まる⼤変華やかな式典となりました。
 
授賞式の様子は、AFA公式YouTubeよりアーカイブがご覧いただけます。
→ youtube.com/asianfilmawardsacademy
 


 
<受賞コメント>
<鈴木亮平さんコメント全文:Excellence in Asian Cinema Award受賞>(英語でご挨拶:和訳)
「大家好(ダージャーハオ)。ここに来ることができて本当にうれしいです。とりわけ、著名なイ・ヨンエさんと一緒にここに立つことができて、とても光栄です。偉大な映画監督、偉大な映画プロデューサー、映画製作者、偉大な俳優、アジアの伝説の俳優たち、皆さんの前に立つことができて、本当に光栄に思っています。でも正直なところ、今年は何もノミネートされていないので、とてもリラックスしてここに立っています。もちろん、ノミネートされることは良いことですが、ノミネートされないのも良いことです。なぜなら、何も心配する必要がないからです。ちなみに、昨年は、トニー・レオンさんのせいで私は最優秀主演男優賞を逃しました。(笑)でも、今年再び彼に会えてうれしいです。もちろん、賞を受賞することは非常に重要でワクワクしますが、このイベント、この大きなイベント、AFAの素晴らしいところは、皆さんに出会い、新しい人たちに出会い、アジア各地の映画制作者と出会い、語り合い、学びあうことだと私は考えています。そして願わくは、今後一緒に新しいプロジェクトを始めたい。今日、あるいは今夜が、未来の新しいプロジェクトの始まりになるかもしれません。そして、いつか一緒に映画を作れることを本当に願っています。なぜなら、”私たちは一緒に物語を紡ぐ(Together we tell story)”からです。ありがとうございました。
※「Together We Tell Story」は今年のAFAのテーマです。
 
<『悪は存在しない』コメント全文:最優秀作品賞受賞>
※濱口竜介監督が欠席のため、監督に代わり、高田聡プロデューサーと石橋英子さんがコメントを述べました。
高田聡さん:「私たちの映画にこのような非常に光栄な重みのある賞を頂きまして、代表してまずは感謝を申し上げます。同じくノミネートされた撮影の北川喜雄さん、共同編集の山崎梓さん、またこの映画に関わったすべての皆さん、おめでとうございます。そして、この場に残念ながら来ることができなかった濱口竜介監督、そして濱口監督に一番最初にこの企画の話を持ってきて、素晴らしい音楽で共同制作をされた石橋英子さん、おめでとうございます。」
石橋英子さん:「本当に濱口監督が来ることができなかったのは残念です。でもこうやって、撮影の北川さんや編集の山崎さん、今もしかしたら日本で見ているかもしれない主演のおおみかさん、キャストの皆さん、スタッフの皆さん、本当に皆さんの力のおかげでできました。もちろん、ミュージシャンの皆さん、ミックスをしてくださったジム・オルークさん、本当に皆さんのおかげで、今こうやって、私たちはここに来られて、楽しい時間を過ごせていると思っています。ありがとうございました。」
 
<是枝裕和監督コメント全文:最優秀監督賞受賞>
「尊敬する黒沢清監督からこのようなトロフィーを頂くなんて、本当に光栄です。出会う才能ということで言えば、今回は坂元裕二さんという尊敬する脚本家の方の素晴らしい脚本があって、もう20年近く一緒に仕事をしている美術の三ツ松けいこさんが、今日一緒にスタッフを代表してここに来ていただきました。そんなスタッフとキャストと出会えたことが、この賞を頂けた一番大きな僕の才能ではないかと思います。昨年に続いてこの壇上に立たせていただくことができて、本当にうれしいです。来年は、作品はないのですが、ノミネートされていなくても、またこの場で映画を愛する皆さんとこの時間を共有できたらうれしいです。ありがとうございました。」
 
<石橋英子さんコメント全文:最優秀音楽賞>
「全く期待してなかったので、全然スピーチを考えていなかったです。まずアジア・フィルム・アワードの皆様、審査委員の皆様、本当にありがとうございます。まず濱口監督、長い道のりでしたが、何をつくるのかわからないまま一緒に歩んできた道のりが奇跡のようでした。撮影やその後の編集など、一緒に皆さんが作ってこられた努力にも感謝したいと思います。撮影の北川さん、編集の山崎さん、本当にありがとうございます。皆さんの仕事がなければ、私のこういう音楽もなかったと思います。スタッフとキャストの皆さんにも感謝したいと思います。本当にありがとうございました。」
 
※役所広司さん(『PERFECT DAYS』最優秀主演男優賞)、『ゴジラ-1.0』チーム(最優秀視覚効果賞、最優秀音響賞)は授賞式欠席のため、代理授与。
 


 
第17回アジア・フィルム・アワード 受賞結果一覧(敬称略)
最優秀作品賞:『悪は存在しない』(濱口竜介監督)(日本)
最優秀監督賞:是枝裕和 『怪物』(日本)
最優秀新人監督賞:ニック・チェク 『年少日記』(香港)
最優秀主演男優賞:役所広司 『PERFECT DAYS』 (日本)
最優秀主演女優賞:ジャン・チンチン 『西湖畔に生きる』(中国)
最優秀助演男優賞:パク・フン 『12.12: The Day(英題)』(韓国)
最優秀助演女優賞:レイチェル・リョン 『白日の下』(香港)
最優秀新人俳優賞:Tergel Bold-Erdene 『City of Wind』(フランス、モンゴル、ポルトガル、オランダ、カタール、ドイツ)
最優秀脚本賞:ペマ・ツェテン 『雪豹』(中国)
最優秀編集賞:キム・サンボム 『12.12: The Day(英題)』(韓国)
最優秀撮影賞:マティアス・デルボー 『雪豹』(中国)
最優秀音楽賞:石橋英子 『悪は存在しない』(日本)
最優秀衣装デザイン賞:マン・リムチョン 『The Goldfinger』(香港、中国)
最優秀美術賞:Eric LAM 『The Goldfinger』(香港、中国)
最優秀視覚効果賞:山崎貴、渋谷紀世子、高橋正紀、野島達司 『ゴジラ-1.0』(日本)
最優秀音響賞:井上奈津子 『ゴジラ-1.0』(日本)
Excellence in Asian Cinema Award:鈴木亮平、イ・ヨンエ
特別功労賞(Lifetime Achievement Award):チャン・イーモウ監督
AFA Next Generation Award:チャオ・リーイン
AFA Rising Star Award:メータウィン・オーパッイアムカジョーン
2023 Highest-Grossing Asian Film Award:『満江紅(マンジャンホン)』(監督:チャン・イーモウ、中国)
 
アジア・フィルム・アワード (主催:アジア・フィルム・アワード・アカデミー)
2007年に創設されたアジア映画を対象とした映画賞。東京国際映画祭は2013年より、香港国際映画祭、釜山国際映画祭と共にアジア・フィルム・アワード・アカデミーを創設し、アジアの映画業界と連携し、その年のアジアの映画人を表彰しスポットライトを当てることでアジア映画ファンの創出、世界へのアジア映画の振興、文化交流を図っています。
アジア・フィルム・アワード公式サイト:afa-academy.com

 
日本からのノミネート作品一覧(敬称略)
※受賞
作品賞ノミネート:※『悪は存在しない』(濱口竜介)、『PERFECT DAYS』 (ヴィム・ヴェンダース)
監督賞ノミネート:濱口竜介(『悪は存在しない』)、※是枝裕和(『怪物』)
主演男優賞ノミネート:※役所広司(『PERFECT DAYS』)
主演女優賞ノミネート:菊地凛子(『658㎞、陽子の旅』)
助演男優賞ノミネート:中村獅童(『首』)
助演女優賞ノミネート:浜辺美波(『ゴジラ-1.0』)、筒井真理子(『Last Shadow at First Light』)
新人賞ノミネート:白田迪巴耶(『Last Shadow at First Light』)
脚本賞ノミネート:濱口竜介(『悪は存在しない』)、坂元裕二(『怪物』)
編集賞ノミネート:濱口竜介、山崎梓(『悪は存在しない』)
撮影賞ノミネート:北川喜雄(『悪は存在しない』)
音楽賞ノミネート:※石橋英子(『悪は存在しない』)、梅林茂(中国作品『西湖畔に生きる』でノミネート)
衣装デザイン賞ノミネート:黒澤和子(『首』)
美術賞ノミネート:三ツ松けいこ(『怪物』)
視覚効果賞ノミネート:※山崎貴、渋谷紀世子、高橋正紀、野島達司(『ゴジラ-1.0』)
音響賞ノミネート:※井上奈津子(『ゴジラ-1.0』)

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