トニー・レオン審査委員長とともに揃って会見
第37回東京国際映画祭の審査委員会見が10月29日、TOHOシネマズ シャンテで行われ、コンペティション部門で審査委員長を務めるトニー・レオン、審査委員のエニェディ・イルディコー、橋本愛、キアラ・マストロヤンニ、ジョニー・トーが揃って登壇した。
コンペティション部門では数多くの映画の中から厳選された15本の作品を上映。うち9作品がワールドプレミア、1作品がインターナショナルプレミア(製作国外初上映)、残り5作品はアジアンプレミア(アジア初上映)となる。映画祭の最終日には授賞式が行われ、5人の審査委員によって選考された東京グランプリ、審査委員特別賞、最優秀監督賞、最優秀女優賞、最優秀男優賞、最優秀芸術貢献賞が授与される。
トニー・レオン審査委員長は「東京に戻ってくることができて大変うれしく思っています。そして非常に名誉なことに、今年の東京国際映画祭の審査委員長を務めることになりました。コンペには今回もいい作品がたくさんあると思います」と挨拶。続くイルディコーは、「本日はこの場に立つことができて興奮しています。このすばらしい方たちと仕事ができるのが楽しみ。東京は2度目。『心と体と』の時に東京に来たのですが、その時も大変感動する経験をさせていただきました。今回もいろいろな興味を持ちながら、この場に立たせていただきたいなと思っています」と話した。
さらに橋本が「東京国際映画祭とは今までさまざまな形で関わらせていただいたのですが、今年ははじめて審査委員という重要な役目を担わせていただくことになりました。このような錚々たる皆さまと時間をともにするのは本当に震えるほどに緊張もしますし、でも心から光栄だと思っていて。自分の人生でこういう機会は二度とないと思いますので、思い切り楽しんで、映画をたくさん観られる日々に浸りたいと思います」と意気込むと、マストロヤンニも「2度目の東京です。審査委員としてこの東京国際映画祭に参加できますことを大変うれしく思います。ここに集まった皆さんと過ごすことを楽しみにしていますし、たくさんのフィルムメーカーの方を発見したいですし、この経験を楽しみたいと思います」とあいさつ。
さらにトー監督も「日本に来ることを楽しみにしていました。わたしは年に何回も日本にやってくるんですが、なぜかというと日本の食が大好きだから、本当にいい役を引き受けたなと思っています。そしてさっそくトニーからも美味しいものをたくさん教えてもらいました。来日してからも美味しいものを食べ続けていたんですが、映画祭期間中は仕事もしないといけない。だから映画祭の中ですばらしい映画をたくさん発見して、そしてわれわれアジア映画のためにいろいろと貢献したいと思います」と呼びかけた。
またレオンは「わたしが思う東京国際映画祭というのは、非常に全面的な視野を持っている映画祭だと思います。新進の監督のプロモーションにも力を入れていますし。それだけではなく、いろんなカテゴリーを分けてクリエイターや映画を紹介している。たとえば今年は女性のエンパワーメントの部門もありましたし、新人監督を育てる部門もある。そして過去を振り返って偉大な映画監督、俳優の作品を紹介している。今年は、イタリアの著名な俳優、マルチェロ・マストロヤンニさんの特集も組んでおりまして。(フェデリコ・)フェリーニの作品なども上映されるということで、実にすばらしい企画だと思います。こういう機会を通して若い人たちにも、今だけでなく、過去のことについてもいろいろと知る機会を提供することになるので、大変いい機会だと思います」と明かした。
続いてイルディコーが「映画祭というのは、いわゆる映画人の味方であると思います。毎年、いろんなところでわれわれがつくってきた作品の収穫の時期ということで。映画祭によって注目を浴びたり、認識される。毎回、映画祭という場では隠された宝石を発見する場所だと思います」と語ると、「東京国際映画祭に関しては、非常に大胆で勇敢な選択をされている映画祭だと思っています。これは容易ではないと思いますし、力強く重要で、国際的であるということもあります。これはアジアということだけではなく、そういう努力をされている映画祭だと思っています。ただ著名な方だけを打ち出すのではなく、非常に細部にわたって練られていて。本当にいろいろな宝石がちりばめられている。東京国際映画祭に対してブラボーと言いたいですね」と最敬礼だ。
さらに橋本も「今回のコンペティション部門もそうですし、アジアに限らず世界のさまざまな国の作品を選出されているなという印象を受けまして。映画によってある種の世界地図が浮かび上がるなという印象があります。その上でアジア映画ということに話を限定すれば、日本で俳優をやり、日本で映画をつくる仕事をしていて。そういう状況の中で常に危機感を持っているというか。それは成長の余地を感じているとも表現できますが、そのように自分たちはどう映画をつくっていけばいいんだろう、どうしたらもっと良くなっていくんだろうということを常に考えながら、映画と向き合っています。なので、この映画祭で中国や韓国など、アジアの映画に触れることで、自分たちの現在地を見つめ直しながら、ここは参考にできるかもとか、同じようにトライしたら変われるんじゃないかとか。そんな風に世界に向けてアジア映画を打ち出すこともあるかもしれない。ひるがえって日本のクリエイターのためにもアジア映画を知ることが大事なのかなと思います」と思いを語る。
また「わたしも皆さんの言うことに同意です」と語るマストロヤンニも、「そこに補足するなら、映画というものを観客と共有できることのすばらしさですね。この習慣というものが残念ながら新しいプラットフォームや、コロナなどの影響でとても希少なものになっています。でも映画祭が常に戦って守ってくれると思います。映画祭が新しい作り手の発見する場ということだけでなく、まわりの知らない方々と一緒に大きなスクリーンで鑑賞体験が共有できる。すばらしい場所であるということを申し上げたいと思います」と力説した。
第37回東京国際映画祭は、11月6日まで開催。
トニー・レオン審査委員長とともに揃って会見
第37回東京国際映画祭の審査委員会見が10月29日、TOHOシネマズ シャンテで行われ、コンペティション部門で審査委員長を務めるトニー・レオン、審査委員のエニェディ・イルディコー、橋本愛、キアラ・マストロヤンニ、ジョニー・トーが揃って登壇した。
コンペティション部門では数多くの映画の中から厳選された15本の作品を上映。うち9作品がワールドプレミア、1作品がインターナショナルプレミア(製作国外初上映)、残り5作品はアジアンプレミア(アジア初上映)となる。映画祭の最終日には授賞式が行われ、5人の審査委員によって選考された東京グランプリ、審査委員特別賞、最優秀監督賞、最優秀女優賞、最優秀男優賞、最優秀芸術貢献賞が授与される。
トニー・レオン審査委員長は「東京に戻ってくることができて大変うれしく思っています。そして非常に名誉なことに、今年の東京国際映画祭の審査委員長を務めることになりました。コンペには今回もいい作品がたくさんあると思います」と挨拶。続くイルディコーは、「本日はこの場に立つことができて興奮しています。このすばらしい方たちと仕事ができるのが楽しみ。東京は2度目。『心と体と』の時に東京に来たのですが、その時も大変感動する経験をさせていただきました。今回もいろいろな興味を持ちながら、この場に立たせていただきたいなと思っています」と話した。
さらに橋本が「東京国際映画祭とは今までさまざまな形で関わらせていただいたのですが、今年ははじめて審査委員という重要な役目を担わせていただくことになりました。このような錚々たる皆さまと時間をともにするのは本当に震えるほどに緊張もしますし、でも心から光栄だと思っていて。自分の人生でこういう機会は二度とないと思いますので、思い切り楽しんで、映画をたくさん観られる日々に浸りたいと思います」と意気込むと、マストロヤンニも「2度目の東京です。審査委員としてこの東京国際映画祭に参加できますことを大変うれしく思います。ここに集まった皆さんと過ごすことを楽しみにしていますし、たくさんのフィルムメーカーの方を発見したいですし、この経験を楽しみたいと思います」とあいさつ。
さらにトー監督も「日本に来ることを楽しみにしていました。わたしは年に何回も日本にやってくるんですが、なぜかというと日本の食が大好きだから、本当にいい役を引き受けたなと思っています。そしてさっそくトニーからも美味しいものをたくさん教えてもらいました。来日してからも美味しいものを食べ続けていたんですが、映画祭期間中は仕事もしないといけない。だから映画祭の中ですばらしい映画をたくさん発見して、そしてわれわれアジア映画のためにいろいろと貢献したいと思います」と呼びかけた。
またレオンは「わたしが思う東京国際映画祭というのは、非常に全面的な視野を持っている映画祭だと思います。新進の監督のプロモーションにも力を入れていますし。それだけではなく、いろんなカテゴリーを分けてクリエイターや映画を紹介している。たとえば今年は女性のエンパワーメントの部門もありましたし、新人監督を育てる部門もある。そして過去を振り返って偉大な映画監督、俳優の作品を紹介している。今年は、イタリアの著名な俳優、マルチェロ・マストロヤンニさんの特集も組んでおりまして。(フェデリコ・)フェリーニの作品なども上映されるということで、実にすばらしい企画だと思います。こういう機会を通して若い人たちにも、今だけでなく、過去のことについてもいろいろと知る機会を提供することになるので、大変いい機会だと思います」と明かした。
続いてイルディコーが「映画祭というのは、いわゆる映画人の味方であると思います。毎年、いろんなところでわれわれがつくってきた作品の収穫の時期ということで。映画祭によって注目を浴びたり、認識される。毎回、映画祭という場では隠された宝石を発見する場所だと思います」と語ると、「東京国際映画祭に関しては、非常に大胆で勇敢な選択をされている映画祭だと思っています。これは容易ではないと思いますし、力強く重要で、国際的であるということもあります。これはアジアということだけではなく、そういう努力をされている映画祭だと思っています。ただ著名な方だけを打ち出すのではなく、非常に細部にわたって練られていて。本当にいろいろな宝石がちりばめられている。東京国際映画祭に対してブラボーと言いたいですね」と最敬礼だ。
さらに橋本も「今回のコンペティション部門もそうですし、アジアに限らず世界のさまざまな国の作品を選出されているなという印象を受けまして。映画によってある種の世界地図が浮かび上がるなという印象があります。その上でアジア映画ということに話を限定すれば、日本で俳優をやり、日本で映画をつくる仕事をしていて。そういう状況の中で常に危機感を持っているというか。それは成長の余地を感じているとも表現できますが、そのように自分たちはどう映画をつくっていけばいいんだろう、どうしたらもっと良くなっていくんだろうということを常に考えながら、映画と向き合っています。なので、この映画祭で中国や韓国など、アジアの映画に触れることで、自分たちの現在地を見つめ直しながら、ここは参考にできるかもとか、同じようにトライしたら変われるんじゃないかとか。そんな風に世界に向けてアジア映画を打ち出すこともあるかもしれない。ひるがえって日本のクリエイターのためにもアジア映画を知ることが大事なのかなと思います」と思いを語る。
また「わたしも皆さんの言うことに同意です」と語るマストロヤンニも、「そこに補足するなら、映画というものを観客と共有できることのすばらしさですね。この習慣というものが残念ながら新しいプラットフォームや、コロナなどの影響でとても希少なものになっています。でも映画祭が常に戦って守ってくれると思います。映画祭が新しい作り手の発見する場ということだけでなく、まわりの知らない方々と一緒に大きなスクリーンで鑑賞体験が共有できる。すばらしい場所であるということを申し上げたいと思います」と力説した。
第37回東京国際映画祭は、11月6日まで開催。