2024.11.01 [イベントレポート]
菊地凛子&磯村勇斗、女性が活躍できる環境整備の必要性を説く Netflixプロデューサーからは現場のリアルな声も
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第37回東京国際映画祭公式プログラムとして、文化・芸術の世界で活躍する女性に光を当てるケリング「ウーマン・イン・モーション」のトークセッションが11月1日、東京・TOHOシネマズ日本橋で行われ、俳優で本映画祭のフェスティバル・ナビゲーターを務める菊地凛子をはじめ、俳優の磯村勇斗、Netflixプロデューサーの岡野真紀子氏が出席。オープニングスピーチは、映像業界の啓発、人材育成、教育などに精力的に取り組む映画監督の是枝裕和が務めた。

国内外で幅広く活躍する菊地は「男女関係なく、平等に働いていける環境を整えるには、まだまだ難しい問題があるのかなと思う。フェアとは言えない場面もある」と率直に語り、「女性であれば出産だったり、キャリアが一度ストップした後に、戻ってこられる場所は守られるべき。そういった意識をもって、業界全体で会話していく必要がある」と提言した。その上で「理解や改革には時間もかかるが、まずは状況を知ることが重要。“知らなかった”ことで、自分にショックを受けることもある」と、意識の変化の重要性を説いていた。

一方、磯村は「デビューして10年。近年、現場に行くと女性のスタッフさんが圧倒的に増えたなと感じる」と持論。同時に「現状を変えないといけないという危機感はあります。女性が活躍できる環境づくりは、男性も問題に向き合い、性別関係なく取り組んでいかなければ無理」と訴え、「受け身ではいられないし、互いにサポートし合いながら、声を発信していきたい」と思いを新たにしていた。

岡野氏は2021年にNetflix入社し、エグゼクティブプロデューサーとして『クレイジークルーズ』(23)など日本発のオリジナル作品を多数手掛け、最新作となるNetflixシリーズ「さよならのつづき」の配信を控えている。

磯村同様に「女性だけでは解決できないので、お互いの強みを生かし、未来を見据えて、サポートし合えれば」と協力体制の必要性を語り、「作り手も多様であるべき。女性監督にもっともっと出てきてほしいですし、そのために必要なことは、さまざまなことに取り組んでいる」と語った。

具体的には、撮影現場でのベビーシッターの雇用や、長期ロケにおけるスタッフの交代制などを実践。「さまざまな選択肢に対応することはもちろん、何を求めているのか知るために、日常的にコミュニケーションを取れるのも大切」だと、現場のリアルな声を届けた。

グローバル・ラグジュアリー・グループのケリングは、2015年のカンヌ国際映画祭から、カメラの前と後ろで活躍する女性たちに光を当てることを目的に、同映画祭公式プログラム「ウーマン・イン・モーション」を発足。写真をはじめ、アート、デザイン、音楽などの分野にも活動の幅を広げ、様々なゲストが異なる立場から女性を取り巻く環境について意見を交換する機会を作っている。東京国際映画祭における「ウーマン・イン・モーション」トークは4回目の開催となる。

第37回東京国際映画祭は、11月6日まで開催。
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