カタリナ・グラマトバ監督、プロデューサーのイゴール・エングラー、ユーリエ・マルコバー・ジャーチュコバー(左から)
第37回東京国際映画祭のコンペティション部門出品作『
大丈夫と約束して』が10月30日、丸の内TOEIで上映された。カタリナ・グラマトバ監督がプロデューサーのイゴール・エングラー、ユーリエ・マルコバー・ジャーチュコバーとQ&Aに臨んだ。
スロバキアの田舎の村にある祖母の家で夏休みを過ごしている15歳のエニョは、仕事のために離ればなれになっている母親と一緒に暮らしたいと望みつつ、友人たちとバイクで山野を走りまわったり、祖母に反抗的な態度を見せるようになる。そして、ある日、自分が知らなかった母親の生活ぶりや仕事内容を知らされ動揺する。思春期の少年の心の動きを繊細に描いたドラマだ。
グラマトバ監督の長編デビュー作で、今回がワールドプレミア上映となった。「スロバキアという小さな国から来て、自分の映画を日本で見られることに感動しています。日本語の字幕も付いているのに感激しました」とグラマトバ監督。
この日のMCを務めた、東京国際映画祭プログラミング・ディレクターの市山尚三氏が、「先入観なしで見て素晴らしいと思った。非常にフレッシュで監督第1作とは思えないほど素晴らしかった」と伝えると、「私にとっての初監督作品ですが、ここにいるプロデューサーをはじめ主要スタッフにとっても初めての作品です。みんなで心を込めて作ったので、お褒めの言葉をいただいてとてもうれしい」と感無量の面持ち。共に来日したスタッフたちにも感謝を伝えた。
本作はスロバキアのバンスカー・ビストリツァ県の山村ウテチカで撮影され、グラマトバ監督は、かつてこの村にあったガラス工場についての短編ドキュメンタリー映画製作がきっかけで、村の人間関係を取材、観察し、本作の設定が生まれたと説明する。
「代表的なスロバキアらしい村です。かつては工場があり栄えていましたが、閉鎖されて多くの人が職を失いました。しかし、閉鎖後村に残った人たちは、仕事がなく社会奉仕をしています。ドキュメンタリーを撮る中で、老人たちが自分たちの家を売って住み着いたという話を聞いて、この物語を思いつきました。丘の上に古いガレージを見つけて、ここで撮るしかないと思ったのです」と振り返る。
そして、プロデューサーのエングラー氏は「映画に出演している4人の少年は実際に村で出会った少年たちなんです。素晴らしいキャスティングだと思いませんか」と明かす。
観客から、主演のエニョを演じたミハエル・ザチェンスキーの演技力を絶賛されると、グラマトバ監督が「私は彼の力強いまなざしに魅了されたのです。強いポテンシャルに満ち溢れていました。でも、最初は意思疎通が難しく、時間をかけて信頼関係をつくっていきました。(プロデューサーの)イゴールからの提案で、私も村で2カ月暮らすことになり、良い関係を作ることができました。ミハエルも脚本に携わってくれました。この脚本は、すべて彼のために書かれたと言っても過言ではありません、だからあのような演技を引き出せたと思います」と、ザチェンスキーの起用理由と役柄以上の存在感を発揮した俳優の才能について語った。
カタリナ・グラマトバ監督、プロデューサーのイゴール・エングラー、ユーリエ・マルコバー・ジャーチュコバー(左から)
第37回東京国際映画祭のコンペティション部門出品作『
大丈夫と約束して』が10月30日、丸の内TOEIで上映された。カタリナ・グラマトバ監督がプロデューサーのイゴール・エングラー、ユーリエ・マルコバー・ジャーチュコバーとQ&Aに臨んだ。
スロバキアの田舎の村にある祖母の家で夏休みを過ごしている15歳のエニョは、仕事のために離ればなれになっている母親と一緒に暮らしたいと望みつつ、友人たちとバイクで山野を走りまわったり、祖母に反抗的な態度を見せるようになる。そして、ある日、自分が知らなかった母親の生活ぶりや仕事内容を知らされ動揺する。思春期の少年の心の動きを繊細に描いたドラマだ。
グラマトバ監督の長編デビュー作で、今回がワールドプレミア上映となった。「スロバキアという小さな国から来て、自分の映画を日本で見られることに感動しています。日本語の字幕も付いているのに感激しました」とグラマトバ監督。
この日のMCを務めた、東京国際映画祭プログラミング・ディレクターの市山尚三氏が、「先入観なしで見て素晴らしいと思った。非常にフレッシュで監督第1作とは思えないほど素晴らしかった」と伝えると、「私にとっての初監督作品ですが、ここにいるプロデューサーをはじめ主要スタッフにとっても初めての作品です。みんなで心を込めて作ったので、お褒めの言葉をいただいてとてもうれしい」と感無量の面持ち。共に来日したスタッフたちにも感謝を伝えた。
本作はスロバキアのバンスカー・ビストリツァ県の山村ウテチカで撮影され、グラマトバ監督は、かつてこの村にあったガラス工場についての短編ドキュメンタリー映画製作がきっかけで、村の人間関係を取材、観察し、本作の設定が生まれたと説明する。
「代表的なスロバキアらしい村です。かつては工場があり栄えていましたが、閉鎖されて多くの人が職を失いました。しかし、閉鎖後村に残った人たちは、仕事がなく社会奉仕をしています。ドキュメンタリーを撮る中で、老人たちが自分たちの家を売って住み着いたという話を聞いて、この物語を思いつきました。丘の上に古いガレージを見つけて、ここで撮るしかないと思ったのです」と振り返る。
そして、プロデューサーのエングラー氏は「映画に出演している4人の少年は実際に村で出会った少年たちなんです。素晴らしいキャスティングだと思いませんか」と明かす。
観客から、主演のエニョを演じたミハエル・ザチェンスキーの演技力を絶賛されると、グラマトバ監督が「私は彼の力強いまなざしに魅了されたのです。強いポテンシャルに満ち溢れていました。でも、最初は意思疎通が難しく、時間をかけて信頼関係をつくっていきました。(プロデューサーの)イゴールからの提案で、私も村で2カ月暮らすことになり、良い関係を作ることができました。ミハエルも脚本に携わってくれました。この脚本は、すべて彼のために書かれたと言っても過言ではありません、だからあのような演技を引き出せたと思います」と、ザチェンスキーの起用理由と役柄以上の存在感を発揮した俳優の才能について語った。